home>インタビュー 平田克裕さん<その1>

恩納村商工会では平成7年から修学旅行生や本土からの観光客を対象に「ふれあい体験学習事業」を進めてきました。平成12年度には16,602名、平成13年度には10,772名(米国同時多発テロの影響で減少)と成果をあげています。その取り組みが高く評価され、2003年1月30日には「国土交通大臣賞」を受賞しました。
そのプログラムを作ったり、地域の方々との連携を図ったりと、中心的な役割を担ってきたのが経営指導員の平田克裕さんです。

平田さんが語る体験滞在交流を定着させるポイントとは
1. 今の生活を活かすこと
2. 新鮮さがないと駄目!
3. 人材の発掘、育成
4. 地域との関わりを大事にする
さあ、それでは詳しいお話をどうぞ。
  インタビューを受ける平田さん
玉城 恩納村の商工会で体験滞在交流事業を始めたきっかけはなんでしたか?
平田 きっかけは、大阪のある女子高の先生が飛び込みでやってきたんです。「沖縄の文化体験をしたい。料理体験、空手、琉球舞踊、三線、4つをやりたいのですが、と。折角、沖縄にきているから、また自分の周囲にもそういうことが出来る人がたくさんいるものですから、じゃ、楽しませて返そうかと無料で引き受けた。そしたら、評判となって徐々に広がっていった。ちょこちょこ問い合わせがあるので、3年経った頃にプログラムを作って金額を決めて受け入れるようになったんです。最初から仕掛けてやろうということではなく、やっていくうちに反応を見ながら、これは地域おこしにつかえるな、ということでプログラムを作っていったということです。
玉城 民泊などを受け入れてくれる世帯数はどのくらいありますか?
平田 200世帯を超えていると思います。
玉城 受け入れをお願いするのは大変ではありませんか?スムーズに行きましたか。
平田 スムーズではなかったですよ。ただ、恩納村は観光地ということで下地はあったと思います。
玉城 恩納村にはいくつもリゾートホテルがありますものね。
平田 そう、もともと何十年という歴史がありますから。観光地という実績があるし、それとお客さんが恩納村に泊まっているというのがいいですね。ほかの市町村のホテルに泊まり、ただ恩納村にショートステイだけしにきているというと難しいでしょう。村民も意識していますよ。恩納村にきたお客さんなんだと。
玉城 だから大事にしようというような。
平田 そうそう、村民性も排他的ではない。だから受け入れはスムーズだったのではないでしょうか?
玉城 今、民泊は主に修学旅行生ですか?
平田 そうそう。修学旅行だけです。
玉城 ひとつの家庭に何人くらい?
平田 4〜5人ですね。
玉城 受け入れを引き受けた家庭では、たとえば家庭訪問のときのように大掃除を始めるとか?
平田 ええ、もう、仕事は休むわけですね。午後からの受け入れですが、半日休んだり、一日休んだりして準備するんですよ。
玉城 食事のメニューはなんにしようかといろいろ考えたりするんでしょうね。
平田 最初のうちは、もう大騒ぎしていたんですよ。今でも大騒ぎする家もあるんだけど(笑)。掃除して、テーブルいっぱい料理も並べて、親戚もあちこちから集めてきて。生徒は4〜5名なのに、受け入れるスタッフが10人〜20人というような。そしたら、その家庭ではもう、翌年からやらないんですね。
玉城 疲れてしまって・・・(笑)。
平田 そう、疲れてしまって。今年は休ませてくれと。だから、ゴーヤーチャンプルーでいいから、普段、皆さんが食べているもの、それで対応すればまた翌年も何回でもできる。構えて大騒ぎしたらだめですね。ですからお願いするときもちゃんと文書でそういう形にしてくれとお願いしています。
玉城 「普段着の心でやってください」ということですね。
平田 そうそう、普段着の心。最近はだんだん、そうなりつつありますね。あまり構えないという。
玉城 お金だけではなく、受けいれた側が得るもの。それが大きいから、それではまた、引き受けましょう、ということになるんでしょうね。
平田 受け入れる側は、生徒さんひとりにつき、2,500円もらうんですね。4名だったら1万円ですよね。それ以上にお金は使っていると思いますね。料理にしても、あちこち連れて行くにしても。それでもやるということは、恩納村の地域性でしょうね。それと、生徒たちとの交流や触れ合いを楽しみにしているという人も増えてきている。来年もやりますよ、というひともでています。
玉城 一旦、修学旅行で来た生徒さんがリピーターになるということもあるでしょうね。
平田 よくありますよ。先月、卒業旅行で12名だったか、男子生徒のグループが訪ねて来て前にお世話になった家庭に行き、その家庭でバーベキューをして交流した。翌日、12名の生徒さんが商工会へやってきました。受け入れた家庭のかたがたが連れてきたんです。なにかやってあげなきゃと、一緒にお昼を作って食事をしました。ほかの家庭にもちょくちょくそういうことがあるようです。
玉城 うれしいでしょうね。
平田 それは、もう・・・。でも生徒には自分のことを覚えているかな?という心配があるようです。近くまできても行けない生徒もいるようで、そこで、一日村民というようなカードを作ってあげようかという案も出ています。
玉城 たまちゃんが住民票を作ってもらったように。
平田 まあ、そうですね。
これは去年ショートステイした埼玉の生徒さんが自分たちで作ったお米を送ってきてくれたんです。
玉城 へえ、ああ、書いてありますね。「今年の10月に沖縄へ行きます。よろしくお願いします」。すごいですね。
平田 300キロだったか。これをこれから、去年生徒たちがお世話になった家庭へ、商工会でパックにして小分けにして配ります。
また、この中にもち米が入っていたので、卒業式にもち米でカーサムーチーを作り、3年生(卒業生)には3月菓子を3こずつ作って送りました。琉歌と卒業のメッセージも添えて。そういう交流は続いています。卒業式に、沖縄のことを思い出して卒業していくと、それがまた、リピーターにつながればいいなぁと思いつつ・・・。
玉城 先ほど、修学旅行の感想文集を読ませていただきました。埼玉の学校でしたが、そしたら生徒たちの印象に残った事柄の中に民泊の体験、受け入れてもらった、そのときの感動を綴ったものが、結構ありますね。
平田 強く印象に残っていると思いますよ。というのは、そこはベッドタウンにある学校らしいですね。新興住宅地です。隣の家にお邪魔したこともないという子どもがいっぱいいるらしいんです。先生方からの話ですと、沖縄にきて、他所のお宅でご馳走になる。もてなしてもらうわけですよね。そのこと自体が本土ではちょっと考えられない。これがいつまでも生徒たちの印象に残ると、そういうことを言っていますね。
玉城 なるほどね。そういう意味では沖縄全体にそういう土壌はあるということですね。
平田 そうですね。あると思いますよ。
<つづく>
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